旅立ちの朝

義妹の告別式の日。 どうしようもないやるせなさを断ち切るように、 早朝、自転車を走らせた。 朝の鎌北湖は静寂に包まれ、時折響く釣り人たちの気配と、 低く、低く、ウシガエルの声だけが響いていた。 それは、私の気持ちを代弁するかのような、 悲しみに充ちた声であった。 黄泉の國へと旅立ったものは、その先の、あま…